看護実習生のための実習記録のルール

実習記録の書き方

(1) 大枠を決める

 

 実習開始直後の看護計画は、「あたりをつける」感覚が大切です。
 細かいことは後にして、まずは大枠をきめていきましょう。

 

 受け持ってすぐに立案する看護計画は、
あくまでも初期計画です。
 とりあえずわかっている情報を元に、
「あたりをつける」感覚で立てていきます。

 

 患者さんとのかかわりが深まると、
削りたい内容や付け加えたい内容が出てきます。
 最初から完璧な計画は、あり得ません。
 個別性のある計画は、このように練り上げられます。

 

(2) 看護問題の優先度

 

 高い確率で起こり、起こったら確実に命を脅かす看護問題は
優先度がとても高いです。

 

 ですが、それを妨げるとは限りません。

 

 看護問題の優先度は、いくつもの要素が絡み合って決まります。

 

 どのような場合でも、最も優先度が高い看護問題は、
それが高い確率で起こります。
 起きたら確実に命を脅かすものが、どのような場合でも上位です。

 

 ですが、ガンの終末期など、病状によってはそれが避けがたい場合もあります。

 

 患者さんにどうなってほしいかを考え、目標の表現の工夫をしましょう。

 

(3) 精神的援助

 

 精神的な援助も看護計画の一部になります。
 精神的援助を特別なものとは思わず、
具体的なケアプランは、身体的援助と関連させて考えましょう。

 

 精神と身体は深く関連し合っていますから、
切り分けて考えることはできません。

 

 看護計画を立てる場合も、この視点を忘れず、
精神的援助と身体的援助は関連させて考えましょう。

 

 たとえば、身体が清潔になると、気持ちもすっきりします。
 ですが汗だくの状態で寝たきりになっていると、
自分は重病なのだという気持ちが強まってしまいます。

 

 身体的援助は、精神的援助につながります。
 特別なこととと身構えないようにしましょう。

 

(4) 記録で躓いたら

 

 記録で躓いたら、記録を見直すより
患者さんのところに行ってみるようにしましょう。

 

 やってはいけないこと、見ていないこと、覚えていないことは
書くことはできません。

 

 記録に躓いているときには、
書くべきことが底をついているということも考えられます。

 

 そのような時は、患者さんのところにいって
きちんと看護をしているか振り返ってみましょう。
 患者さんの様子を見に行くと、書くべきことが見つかりそうです。

 

(5) どこまで書くか

 

記録はたくさん書こうと思うとキリがありません。
どこまで書くかを常に意識するようにします。

 

実習に慣れてくると、たいていの学生さんは
記録をたくさんかけるようになります。

 

ですが、実習は時間と体力との戦いです。

 

記録ばかりに熱が入ってしまうと、
睡眠不足になってしまって体調を崩したり、
そのほかの事前学習に当てる時間が減ってしまうなどします。

 

また、実習記録はたくさん書けばよいというものではありません。

 

ですから、たくさん書けるようになってきたら、
たくさん書こうとは思わず、
ほどほどのところで抑えることも大切です。

 

記録にかける時間や書く量を、
あらかじめ決めて取り組むのも有効な方法です。

 

(6) 問題の整理

 

患者さんの回復に併せて、解決した問題と残っている問題を整理します。

 

患者さんの具合がよくなってくると、
いくつかの看護問題は解決してきます。

 

どの問題を解決し、何か残っているのか、
問題をきちんと整理しましょう。

 

状態が落ち着いてから、新たに挙がる問題も出てきます。

 

たとえば、状態が悪いときは、
とにかく苦痛を取ってほしいと思っていた患者さんが、
回復に向かうと、復職への不安が頭をもたげたりします。

 

このような問題点の修正も必要です。

 

(7) 日ごろから文章に慣れ親しむ

 

看護記録は特殊な言い回しや専門用語があります。

 

いつも私たちが書く文章とは違った味わいです。

 

ですが、日ごろから文章に親しんでいる人のほうが
記録の力を発揮しやすいです。

 

少し長めの文章を読みこなす力を持っていると、
文章の組み立てに役立ちます。

 

即効性はありません。

 

ですが、記録を自然に書こうと思うのであれば、
文章に慣れ親しむのが最もよい方法です。

 

看護に関係なくてもよいので、
本を読む習慣をつけるとよいですね。

 

(8) 実習記録はためない

 

実習は毎日へとへとになります。
ですが、実習記録はなるべくためないようにすることが大切です。

 

ためればためるほど気がせいてしまって、
何から手をつければ良いのかわからなくなってしまうでしょう。

 

また、時間がたつと記憶が薄れてしまい、
思い出す時間もばかになりません。

 

特に患者さんが言ったこと(S)と観察したこと(O)は、
なるべく早く書いてしまうことが大切です。

 

そして、書いていくうちに適度に頭が冷えてきます。
そうしたら書いた内容を見直しながら
アセスメント(A)したことと、実施したこと(P)を書くようにします。

 

つまり、(S)と(O)は早いうちに忘れないうちに書き、
(A)と(P)は頭を冷やしてから書くようにするということです。

 

(9) 休養も大切

 

患者さんの病態が急変したり、
突然患者さんから拒否があるなど、
実習では思いがけないことも起こります。

 

山のようにやることが重なると、
何から手をつけてよいのかわからなくなります。

 

頭が混乱し、休むのが不安になってしまう人や、
やらなくても良いところに手を出して、
事態を悪くしてしまうことも。

 

そのようなときは、むしろ休んで頭を整理するほうが賢明です。

 

終わらない実習はないので、
にっちもさっちもいかないときには、
休養して仕切りなおすのも一つの手です。

 

(10) できなくても落ち込まない

 

指導者は、自分でもかけないレベルの記録を求めてくるものです。
ですが、できなくても落ち込まなくて大丈夫です。

 

今は電子カルテの時代です。

 

実習場の看護思案は、記録を対して書いていない場合もあります。
正直、現場の記録の力が落ちているといううわさもあるほどです。

 

その意味で、指導者さんは看護師にもかけない記録を
学生さんに高望みしているということも考えられます。

 

このような期待は、自分を伸ばすきっかけにもなりますが、
やたらに落ち込む必要はないのです。

 

自分を追い込みすぎないようにしましょう。